コトコトうとうと冬仕度
きまぐれやの冬は、冷凍庫で真空になっているフォンドヴォを解凍し火にかける事から始まります。フォンはダシ、ボーは子牛のスネ。すなわちスネやスジ肉、香味野菜等をひたすら煮込み出来るダシと言ったところでしょうか。デミグラスソースや赤ワインソース、その他もろもろに使われていて、こいつ次第で店の運命も左右される程大事なダシです。最近ではこのフォンドヴォを作らない店もありますが、きまぐれやは違います。地味な作業の繰り返しですが(笑)、とうとう継ぎ足し継ぎ足し五年目に!老舗の洋食屋さんには敵いませんが、去年あたりからお出ししています。簡単に作る行程を書きましょう。地味なので驚かないで下さい!
まず、牛すねの骨や牛筋をオーブンでよく焼きます。トリガラなんかもです。脂をよくきってから鍋へ。玉葱、人参、セロリ、にんにく、トマト等もオーブンで焼いてから鍋へ。きまぐれやは林檎なんかも入れてます。後はひたすらアクをとり煮詰まったら水を足しの繰り返し。そうやって鍋の中の肉・野菜の旨味やコク等をひっぱり出します。量にもよりますがだいたい5日から7日でワンクールです。
細かい所は省略しましたが、だいたいこんな雰囲気です。僕的には以外と好きな作業です。この作業の間、不思議と他の仕込みが捗ったりもします。最後の煮詰める時点で暇な時は、そばに椅子を置いてコーヒーを呑みながら読みかけの本なんて読んだりしています。これが静かな冬の夜だと、煮込んでいるときのコトコトという音が、自分の心臓音とシンクロしてうとうとしてしまいます(笑)。<※一応、15分置きに目覚ましをかけています>やがて鼻の奥に抜けるような独特ないい匂いで慌てて目を覚ますと、これが決まっていい感じのタイミングで仕上がっているんですね。このタイミング、一週間もの地味な作業に対する神様からのご褒美?(笑)不思議といつもそうなんです。戦時中は空襲に遭うとその鍋だけは持って逃げた!なんて話しがあったりします。コトコトうとうと、冬のきまぐれやのほんの一コマです。